花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
《頼 side》
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───夕方。
送ってくって言う俺の言葉に頑なに首を降った花が、玄関を出たのを見送ってため息をこぼす。
あーあ、何やってんだ俺。
理性が、きかない。
昨日、航の部屋で1人だった俺のところに花が来た時も。
密室に花と2人だけって状況に心臓がうるさくなるのを感じた。
それなのに、俺の隣で無防備すぎる花に、意識してんのは俺だけだって言われてるみたいで……イライラして。
結果、気付いたら押し倒してた。
今日だって……。
キスなんか、するつもりなかったのに。
あのまま、もし、涼の邪魔がはいらなかったらって思うと、俺は自分の理性に負けて、花を泣かせてたかもしれないって思うくらいに、
花のことになると、自分がコントロール出来ない。
花を大事に思う気持ちと、花なんか俺のせいで泣けばいいのにって……そんな歪んだ気持ちが混ざり合ってて。
本当は涼を好きだって言う花の気持ちを応援してるふりして、俺との接点を稼いでるだけ。
本当は、花を涼に取られたら……って、考えただけで吐き気がするからやめた。
つーか、絶対やだ。無理。却下。