花ちゃんは今日も頼くんの言いなり


何度も角度を変えて降ってくるキス、優しく私を支える大きな手、熱に浮かされた瞳。

思い出すだけで、体が火照っていく。



うぁあぁあ!!!もう!!やめやめ!!



昨日は涼くんが間に入ってくれたから、何とか普通に接していられたけど、次に頼くんと会うときはどんな顔で会えばいいの?


何もなかったみたいに平然と……?それとも、やっぱり"あのキスの理由"を聞くべき?


なんて……分かってる。
聞くべきだってことは昨日、頼くんの唇が離れて行くのを目で追っていたあの瞬間から、分かってた。


でも……なんでだろう。
改めて聞くって考えただけですごく怖い。



「……美和子ちゃんに、相談しようかな」


委員会の仕事があるからと私を残して教室を出ていく美和子ちゃんの後ろ姿を思い出しながら、心細さに泣きたくなる。


分かんない。
頼くんが、分かんないよ……美和子ちゃん。


年下なのに、たまにグンッと大人で。
かと思えば、年下の可愛さを見せつけられたり。

……そんな頼くんに、ドキドキしてる私がいるのも事実で。
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