花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
そしたら、頼くんを好きになることも、頼くんを思って苦しくなることもなかったし。
何より、こんなにも悩まずに済んだはずだから。
って、こうなってしまった今、何を言ったってもう頼くんを好きになる前には戻れない。自覚して、こうして悩むようになってから、好きって感情はどんどん強くなってる。
思えば、最初から。
どうしてか頼くんにはいつもドキドキさせられていたように思う。
学年レクの肝試しの時も、髪を切った時も、体育祭の時も……。
”涼くんが好き”
そう思い込んでいたせいで、気付くのが遅くなってしまっただけなのかもしれない。
あと、年下なんて好きにならないって言う変なプライドが邪魔をしてた。今思えば、本当に恥ずかしい話だけど。
女の子は年下男子を好きにならない……。
恋愛対象外。
弟がいるせいか、いつの頃からかそんなことを思っていた。……バカだな、年上が良くて年下がダメなんて誰が決めたんだろう。
明日は金曜日。
……明日を逃したら、また土日がやって来て頼くんと会えない日が続いてしまう。
分かってはいても、改めて頼くんと向き合うって考えると、どうしようもなく怖い。