花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
頼くんで我慢……って、頼くんは頼くんだもん。誰の代わりでもないよ。むしろ、私なんかと肝試ししてくれる頼くんが、今は神様にも思えるよ。
「頼くんありがとう…!不覚にも心強いです」
年下の頼くんに、こんなにも心強さを感じている私って……と思いながらも、1人で夜の校舎へ繰り出さなくて済みそうな今の状況にホッと胸を撫で下ろした。
『不覚にも…ってなんだよ』
「だ、だって…私の方が年上なのに、いつもいつも頼くんに頼りっぱなしで。年下の頼くんに心強さを感じるなんて不覚だよ…」
『俺……花には何も期待してないから』
「へ……?」
『年上だとか思ったこともないし、今後それを理由にするつもりもない』
「……う、うん?」
『……花は俺が言いたいことなんて分かんねぇだろうけど』
「ごめん、私 国語は得意なはずなんだけど…頼くんの言葉はいつも難しい」
何を言いたいのかサッパリ読み取れないのに、頼くんの言葉にいつも私の心臓はドキドキと高まる。
……誰にも感じたことのないこの感覚。
頼くんは、もしかして…いや、きっと…新人類なんじゃないの?!
『朝から晩まで俺に言われたことを思い出して、考えて悩んで……俺の言ったこと、考えてること……1つ残らず分かるように努力すれば?』
「そ、そんなの…」
無理だよ。