花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
「なに?頼くん照れてるの?可愛い〜」
クスクスっと口元に手を当てて、少しからかってみれば、頼くんは一瞬私へと視線を向けてまたすぐに前を向いてしまった。
あれ……?怒っちゃった……?
なんて、心配になったのもつかの間で、
「花には言われたくない」
「え……?」
「男に『可愛い』は言っちゃダメだって、習わなかったのかよ」
再び私を捉えた頼くんの瞳が、暗闇のせいか、いつもよりやけに色っぽくて、思わず息を飲む。
そんなのどこの講座で教えてくれるんですか。誰からも習いませんでしたよ。
なんて、頭の中で頼くんの質問に答えながら、
「やっぱり、頼くんって航とは違うのかな」
「は?」
私がずっと抱いていた疑問を口にすれば、頼くんが静かに首を傾げた。
「弟の航と、弟の友達の頼くんは、何か違うのかな?可愛いって思うのは、航と同じ弟みたいな感覚なのかな……って思ってたんだけど。頼くんは、可愛いだけじゃないって言うか」
むしろ、ドキドキする。
与えられる感情は『可愛い』よりも『ドキドキ』が勝っている気さえする。
クスクスっと口元に手を当てて、少しからかってみれば、頼くんは一瞬私へと視線を向けてまたすぐに前を向いてしまった。
あれ……?怒っちゃった……?
なんて、心配になったのもつかの間で、
「花には言われたくない」
「え……?」
「男に『可愛い』は言っちゃダメだって、習わなかったのかよ」
再び私を捉えた頼くんの瞳が、暗闇のせいか、いつもよりやけに色っぽくて、思わず息を飲む。
そんなのどこの講座で教えてくれるんですか。誰からも習いませんでしたよ。
なんて、頭の中で頼くんの質問に答えながら、
「やっぱり、頼くんって航とは違うのかな」
「は?」
私がずっと抱いていた疑問を口にすれば、頼くんが静かに首を傾げた。
「弟の航と、弟の友達の頼くんは、何か違うのかな?可愛いって思うのは、航と同じ弟みたいな感覚なのかな……って思ってたんだけど。頼くんは、可愛いだけじゃないって言うか」
むしろ、ドキドキする。
与えられる感情は『可愛い』よりも『ドキドキ』が勝っている気さえする。