花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
「うん、髪の長さにとらわれてたら、涼くんとの恋は叶わない気がしてきた」
「……あ、そ」
「うん!切ろう、切る、切っちゃう私!」
「……いいんじゃね」
意気込みたっぷりな私に、素っ気なく呟いて再び歩き出した頼くんのあとを、私も慌てて追いかける。
「あー!もう、待ってよ頼くん!」
頼くんからの2つ目の司令。
『髪は短くイメチェンすべし』
「ちなみに俺は、ミディアムくらいが好き」
……なんて、頼くんが言うから、家に着いたらミディアムのヘアスタイルでも調べてみようかな。……って、これじゃ頼くん好みになりたいみたいじゃん!
違いますからね。ショートは勇気がいるから、まずはミディアムで様子を見るだけですからね。
って、誰に言ってるんだか。
余計に言い訳みたいに聞こえるよ。あー、もう!なんか私、頼くんにペース乱されまくりだ。
しっかりしろ、花。
とりあえず、今週末にでも美容院予約しようかな。