花ちゃんは今日も頼くんの言いなり


頼くんに言われて切った後、本当は自分でもミディアムヘアが気に入って、数日間はルンルンで過ごしたんだ。

でも、学校が近づくにつれて、日々不安が大きくなって……。似合ってないかも!とか、変だったらどうしよう!!とか。


それからやっぱり……

チラッと横目で確認すれば、席に座って友達と楽しそうに話す涼くんの姿。


私の髪型には微塵も興味無さそうに、私たちに背中を向けて座るその姿に胸がギュッと切なく軋んだ。

1番、不安だったこと。

それはやっぱり、涼くんは短くなった私の髪をどう思うかな?ってこと。


だけど、そんな不安もバカバカしいくらい、涼くんの視線が私を捉えることはこれっぽっちもなかった。

……なーんだ、取り越し苦労ってまさにこのこと。

なんて、苦笑いを浮かべながらも、なぜかこの瞬間、私の心の中はやけにスッキリした。
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