花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
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「あ、」
10分休みの合間に自販機までジュースを買いに来た私は、先客を見て固まった。
「久しぶりだな」
「あ、うん……久しぶり!」
夏休み中、結局あの学年レク以来会ってなかった頼くんがちょうど自販機にお金をいれたところだった。
航がバカすぎて、夏休み中は毎日補習だったから、頼くんが家に遊びに来ることもなかったんだと思う。
少し焼けたかな?変わらずかっこいいな〜なんて、思わず見惚れてしまった。
「まじで切ったんだ、髪」
ジーッと私を見つめる頼くんに、急に恥ずかしくなって両手で髪を触る。
短くなった髪じゃ、顔すらろくに隠せないけれど、今この状況で頼くんをどんな顔で見つめればいいのか分からない。
「……変、かな」
「……いいじゃん。俺的にはドストライクだけど」
「へ!?」