花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
「俺も帰り。ごめんな、夏休み中のレク出れなくて」
「ううん!バイトだったって、頼くんに聞いた。大変だったね」
「夏休み期間って、うちのカフェすごい混むんだよ。楽しみにしてたんだけどな、三津谷との夜の校舎デート。頼とは楽しめた?」
涼くんってば、涼しい顔してサラッと勘違いしちゃいそうなこと言うんだから。
それにしても、カフェの制服を着た涼くんとか見たすぎる!!きっとお客さんにもキラースマイル全開で接客するんだろうなあ。
もう、お客さんすらも羨ましいよ。
「うん、楽しかったよ!わざわざ頼くんに頼んでくれてありがとうね」
「え?」
「涼くんが頼んでくれたんだよね?頼くんに代わりに私と肝試し回るようにって……」
「バイト行く前に、三津谷の連絡先分かんなくて困ってたら、頼から伝えてくれるって言うから頼んだんだけど」
「え?……じゃあ、レクに来てくれたのは」
「頼の意思だね。あの日は頼もバイト入ってたはずだけど」
……うそ。
でも、頼くんは確かに涼くんに頼まれたって言ってたよね?どういうこと?
じゃあ、あの日、頼くんは自分の意思で、私のためにわざわざバイト早く上がってきてくれたの?