花ちゃんは今日も頼くんの言いなり
<< 頼 side >>


***



夕飯を終えて、リビングのソファでくつろぎながらテレビを観ていた俺は、


ドカッと音がするくらい勢いよく、俺の隣へと腰掛けた涼の重さに、沈んだソファのせいでやや右に傾く。


いつも思うけど、もっと静かに座れよ。


片手には缶のサイダーを持っていて、


「風呂、空いたよ」


俺へと視線を向けながらそれだけ呟いて、手元のプルタブをプシュッと引き上げた。


その瞬間、香る爽やかな甘い香り。


「ん、入る」


涼を横目に見てそう呟いた俺は、再びテレビに視線を戻す。


このクイズの答え合わせが終わったら入ろ。まぁ、きっと正解はBで間違いないけど。


テレビの中のタレントが画面にCと書いているのを見つけて、いや、Cだけは絶対にありえねぇだろ……なんて思ってた俺は、



「そう言えばさ〜」


涼のそんな呑気な声に、再びテレビから涼へと視線を戻した。


「なに?」

「頼は、昔からミディアムくらいがいいって言ってただろ?」


……は?


急になんの話だよ。
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