花ちゃんは今日も頼くんの言いなり


「で〜きた!」


さすがに調理実習じゃ、ラッピング用の可愛いリボンまでは用意されていなくて。


男子は特に誰にあげるわけでもなく、その場でパクパク食べちゃってたけど。


もし涼くんにあげる覚悟が出来たら使おうと家から持ってきた、ラッピング用の小さな半透明の袋と、 ワイヤータイを使って

そこそこ可愛くラッピング出来た。


ワイヤータイの色は、ピンクと水色と黄色の3色入りで、1番涼くんっぽい色はどれだろう?って考えた結果、無難に水色にした。


「よ、喜んでくれるかな……」

「うん?まぁ、五十嵐のことだからサラッと嬉しいってもらってくれると思うよ」

「うん……だよね!」

「まぁ、五十嵐も自分の班のやつ食べただろうけどね。……ま、多少は味も違うでしょ」



ぐっ……。


そうなんだよなぁ。
同じクラスだから、事前に同じものを涼くんだって食べてるんだよ。


おまけに、涼くんのあの人気っぷり!
間違いなく、私以外の女子からも沢山もらうと思う。


……そう思うと、私なんかのクッキーいる!?って思っちゃうし、食べすぎて涼くんが胃もたれしても困るし。
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