ぬくもり
プロローグ
ゥワーン、ワーン、アーン…
また泣いてる。
この声が聞こえる度に頭痛がする。
「もう、うるさーいっ!!」
まだ2歳にもならない娘の優の泣き声に腹を立て優の背中を叩く。
優の泣き声がひときわ高くなる。
その声に、後押しされるかのように、私は優のお尻や背中を叩く。
必要以上に力が入っているのに気づき、優の泣き声から逃げるように別の部屋へ行く。
優の泣き声が追いかけてくる。
私は部屋のドアを閉め音楽をかけ、耳を塞ぐ。
部屋の隅に座り込む。
優の泣き声からの逃避。
どれ位たったのか、音楽を消しても優の泣き声が聞こえない。
静かに部屋に戻ると、優は指をしゃぶりながら、体を小さく丸くして眠っている。
目頭には、まだ涙が溜まっていた…。
優、ごめんねぇ…
こんなママでごめんなさい。
私が娘にしてる事は虐待です。