ぬくもり
その日は珍しく幸代の方から連絡がきた。


夕食を一緒にする約束をして電話を切り、美沙には夕食はいらないと電話をいれた。




約束の喫茶店に幸代はもう来ていた。




「遅くなってごめん。
結構待たせた?」


「あたしが早くに着きすぎただけだから、気にしないで。」


ウェイトレスにコーヒーを注文する。



「いきなりごめんね。
実は話があったんだ。」


少し言いにくそうな顔の幸代。


「うん。」



2人の間に微妙な沈黙が流れる。



「どうした?
何か困った事でもあった?」



中々話し出せずにいる幸代を促したときだった。





「司、どうゆう事?
これが残業?」



俺の横に立った影。


俺はてっきり、コーヒーを置きに来たウェイトレスだと思っていた。


その影は…美沙。


足元には、隠れるようにして優がいた。

< 118 / 202 >

この作品をシェア

pagetop