ぬくもり
大丈夫。
もう覚悟は決めたんだから。


私は心の中で何度も何度も、呪文のように繰り返す。




司の姿を確認して、私は司に歩み寄って行く。



少しずつ女の顔も確認できた。



瀬田幸代は今時な感じの、目のパッチリとした美人で、綺麗に巻いてあるロングヘアーがよくにあっていた。



全然、私とは違うタイプなんだね。



似てれば似てるでショックを受けるけど、こんなに違うタイプなのも悲しいものだった。




あんなに綺麗なら何も結婚してる司じゃなくたって…
他にいくらだって相手はいるじゃない。


どうして?
何で?
何で司なの?



怒りと悲しみが同時にこみ上げてくる。



私は更に歩みを進めて司の横に立った。


もう、後には引けない。

< 131 / 202 >

この作品をシェア

pagetop