ぬくもり
「まま、あーんだよ」

優が、お腹が空いた事をアピールしはじめる。


「わかったよ。
お昼ご飯にしようね。」



私達はコンビニでおにぎりと飲みものを買い、ピクニック気分で少し大きめの公園の日陰でそれを食べた。



これから離婚話をしなきゃならないあの家で、食べるのは気詰まりだった。



外の暖かい日差しの気持ち良さで、少しだけ解放された気分で辺りを見回す。



休日なだけあって家族連れが多かった。

お父さんと息子が、仲良くキャッチボールしてるのを、優しい目で見ているお母さん。


お父さんに肩車されて喜んでいる子供、まだよちよち歩きの子供を見守っている若い夫婦。



公園中に幸せが溢れているようだった。


子供の頃から焦がれていた光景がここにあった。


自分でもつくる事ができなかった幸せな家族…。




幸せそうな家族を尻目に、私と優は家へと向かう。



離婚の話をするために…。

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