ぬくもり
彼女に何もしてあげれないどころか、傷つける結果になってしまった。


彼女を大事に思いながらも、俺は家庭を選んだんだ。


もう2度と美沙を裏切るような事をしてはいけない。



同じ事を繰り返したら、俺の為を思って黙って身をひいてくれた幸代の気持ちも裏切る事になるんだ。



本当に俺は最低だよ。
好きだの大事だの言いながら、結局2人とも裏切ってるんだから…。




今夜は1人になりたかった。


俺の裏切りも知らずに、一生懸命主婦業をこなし、こんな俺の世話をやいてくれる美沙の顔を見るのもつらかった。


せめて今日1日だけは幸代の事だけを思っていたかった。



自分で撒いた種だけど、やりきれない気持ちでいっぱいだった。



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