ぬくもり
「幸せになれよ。」


「うん。
幸せになる。

…司は、あの後どうなった?」



幸代は心配そうな顔で、また俺に尋ねた。


「何でもないよ。
大丈夫だったから。」


「嘘!
司が嘘つくと、すぐにわかるんだから!
話して!」



俺は迷った。
結婚すると言って幸せそうに笑ってる彼女に、離婚話をされてます、なんて言えない…。



「本当の事話してよね!」


今まさに嘘をつこうとした俺を彼女が軽く睨む。


俺は無駄な抵抗を諦めた。



「絶対に気にするなよ?」



言ったら気にするよなぁ…。


そういう気持ちはあったけど、1度言い出したらきかない彼女には正直に話すしかなかった。


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