ぬくもり
俺と優の初めての触れあいだった。


きっと、優に触れるのはこれが最後になってしまう。


俺は泣きながら、壊れてしまわないようにそっと優を抱きしめた。



「ごめ…っな…優…」


守ってやる事も、かばってやる事も、ましてや抱いてやる事も、何もしてこなかった俺の涙を拭いてくれるなんて…。



切ない思いでいっぱいで、本当に胸が苦しかった。




少しの間優を抱きしめてるうちに、次第に心が落ち着いていった。



「ありがとな。」



俺は優を下におろし、初めて優の頭を撫でた。



「いーと、いーと」



優も笑顔で俺の頭を撫でてくれた…。

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