ぬくもり
お昼は、この時期には熱いかもしれないけど消化に良さそうなうどんを作る事にした。



翔君に食べさせていると、優はやきもちなのか普段は絶対自分で食べると言い張るくせに、この日は違った。



「まま、あんだよっ」

食べさせてと私にアピールし続ける。



私はひな鳥に餌をあげる親鳥のように、優に食べさせては翔君に食べさせを、何度も繰り返す。



お腹がいっぱいになると2人は、吸いこまれるようにコトンと眠りにおちてしまう。



私は残りの掃除を済ませてしまい、ソファーに掛けぼんやりと司の事を考えていた。




司が泣いていたあの日。



優との触れあいを通じて、確かに司は変わった。


以前は、私の影から司を眺めていた優が、進んで司のところに行くようになった。



司が優を見る目は、私から見ても愛情でいっぱいだった。



優から父親を奪う。
司から娘を奪う。



本当にそれでいいんだろうか…?

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