ぬくもり
優の格闘も終わり、私と優はデザートにパフェを注文した。

私も優も甘いものに関しては別腹で、ペロッとパフェを平らげた。



司は優の口の周りについたクリームを拭いてあげてる。


どこから見ても優しいパパの姿。



幸せな食事の時間も終わり、私達は家へと帰る。


家に帰り、優をお風呂に入れる支度を始める。



「俺が優と風呂入ったら駄目かなぁ?」



優の服を脱がせていた手が、司からのあまりにも意外な言葉にとまる。


「え?」


聞こえていたのに思わず聞き返してしまう。


「今まで1回も優と風呂入った事ないからさぁ。」


呟くかのように司が言った。


「大丈夫?
耳とか顔にかかんないように気をつけてね。」



本当に大丈夫なのか気が気じゃない私は、リビングと脱衣場を何度も往復する。


私の心配をよそに、脱衣場に聞こえてくるのは、優しく優に語りかける司の声と、楽しそうにはしゃぐ優の声だった。



お風呂から上がってきた優に、パジャマを着せ、歯磨きをして寝る支度を始める。



「今日、俺もそっちで寝ていいかな?

優の隣で一緒に寝たいんだ。」



司が布団を抱えたまま私に聞いた。



「返事する前に、もう運んできちゃってるじゃない。」



私は司のが抱えてる布団を見て笑いながら言った。



司もちょっと照れたように笑いながら、優の隣に自分の布団を敷いた。



初めての川の字。

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