ぬくもり
私の涙もだいぶ落ち着き、司は私を布団に寝かす。



「大丈夫だから。
美沙が寝るまでここにいるから、もう寝な。」



司は私の頭をクシュクシュっと撫で、手を握ってくれる。


大きくてあったかい司の手。



私はずっと、この手に守られてきたよね。



1度は失いかけた司の手が、今はまたここにある…。



私が母と会う事ができたのも、司が側にいて私を支えてくれたから。


司が居てくれたから、私は母と向かい合う事ができた。



今だって、司が居てくれなければ、私はまた1人で、自分の罪に震えながら泣き続けただろう。




私、本当にこの手を離してしまっていいの?



そう思った時、私は司の手を強く握っていた。


司も私の手を握り返す。




この手を離す事なんてできない…。




私は、司のあったかい大きな手のぬくもりに包まれながら、優しい眠りについた。


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