ぬくもり
トーストが焼き上がる。


優はもう待ちきれないのか、椅子によじ登り、前掛けを持って待っている。



「優、ちょっと待ってね。」


トーストにバターを塗る手を止めかけた時…


「俺やっとくよ。」



司は、優の前掛けをつけてやり『にゅうにゅうー!』と騒いでる優に、牛乳を注いだコップを渡してくれた。



「どーも!!」


優は嬉しそうにコップを両手に挟み、ごくごくと飲み始めた。



以前は自分の事すら、私にやらせていたのに…


私は、少し驚いた面持ちで司を見ていた。



「まま、あーんだよっ!!」



ボッーとしている私を優が急かす。


私は慌ててダイニングテーブルに料理を並べ、少し遅い朝食が始まった。



優は、よっぽどお腹が空いていたのか、オムレツにがっついている。


そんな優の様子を、司がニコニコ眺めている。



「今日は…
どこか行くの?」


なかなか話をうまく切り出せない私は、濁らせながら司の予定を聞いた。



「そうだなぁ…
天気もいいし、3人で公園でも行くか?」



意外な司の返事に、私の心は弾む。



「じゃ、今からお弁当作る!
みんなで公園で食べよう。」



私は朝食を急いで食べて、はりきってお弁当を作る。

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