ぬくもり
私、どうすればいいんだろう…?
司と話しあう?



そんな事できないっ!!


そんな事して、離婚しようなんて言われたら?

言えないよ。
言えるわけないよ。


私どうしたらいいの?



時計の音だけが響く、深夜の静かな部屋のソファーの上で、泣き崩れる。



どうしたらいいのか考えようとしても、頭の中では、司と私の想像の中の瀬田幸代が絡みあう。



そんな自分の想像に吐き気がする。



司は今まで、その女を抱いた手で、あたしに触れていたんだ。



汚いよ…そんな手で触らないでよ。



私はバスルームに駆け込み、シャワーを浴びる。



私は泣きながら、何度も何度も、ゴシゴシ自分の体を洗い続ける。


強くこすりすぎて、肌が赤くなりヒリヒリする。

それでも、私は体を洗い続けた。




自分や、お腹の赤ちゃんまでも、汚されているような気がしたから…

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