ぬくもり
私は、子供の頃から母親に虐待されて育った。

父親の記憶は私にはなかった。

6歳までは母と2人で暮らしていた。



母はよく私を殴った。


私が悪い事をしたのか、なぜ殴られていたのかは覚えていない。


ただ、毎日のように、鬼のように怖い顔をした母親が、私を怒鳴りつけながら、何度も何度も、私を叩いたり蹴ったりしていた記憶。



冬の寒い日に、外にだされて泣きながら家のドアを叩いていた記憶。



母との2人の生活は、心も体も寒くて冷たくて痛い記憶ばかりだった。




6歳の時、母が再婚した。


新しい義父ができたと同時に、妹が産まれた。



新しい父親も、よく母と一緒になって私を殴った。


妹が小さい頃は、ずっと妹の世話をさせられていた。



妹が泣くと『うるさい』と殴られた。



『邪魔者』『産まれてこなければ良かった』そんな心無い言葉とともに、毎日殴られながら私は育った。

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