ぬくもり
出会い
優は2歳になった。


相変わらず、優と私の地獄のような生活は続いていた。



もう私は、疲れきっていた。



優を怒鳴りつけながら、叩くのが当たり前のようになってしまっている日常。



近所でも、何かと噂になっているようだった。


マンション内、優を連れて行く近所の公園、近所のスーパー。



至る所で、刺すような視線を感じる。



視線の先には、いつも、近所の主婦達がチラチラと、こっちを見ながらヒソヒソ話してる。



優が公園デビューを果たしても、私には話をする相手も、優には遊び相手もいなかった。



優はいつも、1人で黙々と遊んでいた。


人との接し方がわからない優。

2歳になってもおしゃべりする事のない優。


いつも1人ぼっちの優。

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