ぬくもり
救いの手
私と優は買い物を終えて、日課の公園に来ていた。


「こんにちわ!」



ベンチに座りながら、ぼんやりと優を眺めている私に話しかけてきたのは、あの時の子だった。



弟の手をひいて、ニコニコしながら私の側に立っていた。



「こんにちわ。
いつも居るって言ってたからハンカチずっと用意してたんだよ。
はい、どうもありがとう。」



私は、その子に借りていたハンカチを渡した。



「翔が熱だして、どこにも行けなかったんだ。
あっ、これ翔。
僕の弟なんだ。
翔、こんにちわは?」


「こーちわ。」



お兄ちゃんの後ろに隠れながら、少しだけ顔を覗かせて言った。



「あっ、僕は岡崎凌。
小学5年なんだ。
お姉ちゃんは?」



「無理しないで、おばさんでいいんだよ。

おばさんは井上美沙。
あそこで遊んでるのが、おばさんの子で優。」



私に気をつかってか、お姉ちゃんと呼ぶ凌くんがおかしくて吹き出しながら言った。



「優ちゃんは何歳?」


「優は2歳だよ。」



「じゃあ、翔の1つ年下だね。
翔、砂場で遊んでるあの子が優ちゃんなんだって!
一緒に遊んどいでよ。」



翔君は、駆け出して行ったが、優のすぐ側まで行ってモジモジしている。



「もう、翔の奴しょうがないなぁ」


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