ぬくもり
瀬田幸代。
紛れもなく彼女だった。



コンビニに入って行く彼女を見かけた俺は、急いで後を追った。


「幸代!」



ジュースコーナーを眺めている彼女が振り返った。



「司…」



驚いた顔をして振り返ったのは、確かに幸代だった。



「何で急にいなくなったんだよ?」



「え…あ、出て話さない?」



幸代が辺りを見回す。


確かにコンビニで話込むような事ではない。


俺も自分を落ち着かせるために飲み物を買い、幸代と連れ立ちコンビニを出る。



「あそこの公園でいい?」



幸代が頷き、俺の後ろをついてくる。



「そんなに振り返らなくても逃げないってば!」



ちゃんとついて来てくれてるか心配で、何度も振り返る俺に笑いながら彼女が言う。


公園につき、2人でベンチに並んで腰をおろす。

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