ぬくもり
偶然
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン…

間隔を開けずになり続けるインターフォン。


もう外は真っ暗で、9時になろうとしている。



「こんな時間になんだろうねぇ。
優、ちょっとごめんねぇ。」



私の膝の上に寝せ、歯磨き中だった優を下におろす。



「はーい?」



「美沙さん、助けて!」



絞りだすような声で助けを求めている。


「凌君?」



すぐにドアを開けると、凌君が息を切らして立っている。



「翔が、凄い熱があって、いっぱい吐いて、呼んでも全然返事…なくて…」



凌君が堪らず泣き出してしまう。



「今行くから!
ちょっと待ってて!」


私は慌ててパジャマ姿の優に、ジャンバーを着せ靴下を履かせる。


急いで優を抱きかかえ、凌君の家へと向かった。


階段を駆け下りながらタクシーを呼んでおく。

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