ぬくもり
岡崎さんの車に同乗させてもらい、マンションへと戻る。



子供達は興奮しつかれたのか、3人共ぐっすりと眠り込んでいた。



「凌、着いたぞ!」



やっぱり1番お兄ちゃんの凌君は起こされてしまう。



凌君は相当眠たいのかボッーとしたまま目をこすっている。


「いやぁー!にいちゃ。」



お父さんが翔君を抱き上げようとした時、目がさめてしまった翔君は、凌君の抱っこをせがみぐずりだす。



「凌も眠たいんだからパパでいいだろ?翔。」



お父さんが翔君をなだめながら抱っこしようとする。



「いや!ぱぱ、や!
にーちゃ!にーちゃ!」



翔君はがんとして譲らず、手足をバタバタさせて抵抗する。


「いいよお父さん。
僕が抱っこしていくから。」



「にーちゃ。」



凌君に甘えて、ニコニコしながら嬉しそうに両手を差し出す翔君。



「翔はパパの事が嫌いなのかぁ…」



しょんぼりしてしまうお父さん。



「もういいから。
お父さん置いて行くよ。」



凌君は翔君を抱き、スタスタ歩いて行く。


そんな2人のやりとりに私は笑いを堪えられない。



「いつもこうなんですよ。
翔は凌にべったりでどっちが親なんだか…」



岡崎さんは照れたように微笑みながら2人の姿を見守ってる。



その家族の光景はとてもあったかいものだった。

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