田舎に行こう
弘美はただ、泣き続けた。
日は西に傾き・・
2人の並んだ影は長く伸びていた。

それでも、隆史も弘美が
泣きやむまではその場を
決して動こうとはしなかった。

2人は幼かったあの頃からの
時間を確かめるかのように、
ずっと沈黙したまま
2人だけの時間を過ごした。

時間が過ぎると比例して
弘美の涙も枯れていった。
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