田舎に行こう
昨晩、早くから寝て
しまったこともあって
翌日はかなり早朝に目がさめた。

今日も良い天気になりそうだ。
奈津は清々しい朝に散歩する
ことにした。

そっと玄関を出て歩き出した。
行く場所は決めていた。
小さな川。
そこから上流を目指して
いけるところまで
行ってみようと考えていた。

昨日のことをぼんやりと考えながら
歩いていた。
弘美は今、どんな気持ちで
過ごしているのだろうと、
そんなことを考えると切なくなった。

自分が隆史を好きだと
気付いたのは隆史に告白されてから
その時までは気付くことはなかった。
そんな最近まで気付かなかったぐらいの
その気持ちが、むくわれて
長くずっと想ってきた弘美の
気持ちは叶わなかった。

そう考えれば考えるほど
切なさは大きくなるばかりだった。
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