田舎に行こう
休憩時間に隆史が手招きしたので
奈津はそこに向かった。

奈津と隆史は教室を出て
屋上に向かう階段へと来た。
屋上はカギがかかっているせいで
出ることはできないが
そこの手前の段差に並んで
腰をかけた。

「幸太郎とのデートは
 どうだった??」
すねたように隆史は言った。

奈津は素直にかわいいと
思い、じっと見つめて
「ごめんね」
と謝った。
悪いことはなにもしていないけど
隆史の気持ちになれば
謝らずにはいられなかった。

「土曜日、2人でどっか行こうか?」
そう隆史は言った。
幸太郎に対抗して言ってると
思うと隆史がかわいく見えて
奈津は隆史の手を握った。
「隆史の家に行ってみたい」
そう言ってにっこり笑った。
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