田舎に行こう

土曜日

隆史の家は奈津の家から
駅に向かう道の途中を
曲がってひたすらまっすぐだった。

隆史は迎えに来ようかと
言ったが、奈津は道をちゃんと
覚えたかったから1人で
大丈夫と答えた。
お昼までに来なかったら、
探してねって付け加えておいた。

隆史の家には迷うことなく
簡単に着くことができた。

隆史の家はけっこう大きくて
古い感じだが、日本家屋って
感じだった。

驚いたのは呼び鈴がなく
玄関のドアは半開きだった。

『さすが田舎』
と奈津は感心した。

「すみませ~ん」
と、声をかけると奥から
おじさんが出てきた。
おそらく隆史のお父さんだろうと
奈津は思い、
「あのぉ、隆史くんと
 約束してたんですが・・」
と言うとお父さんは

「あ~~だから隆史のやつ、
 朝から掃除してたわけか!
 今、出かけたから、すぐもどるから
 部屋にあがっといて」
そう言われた。


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