田舎に行こう
そうして月日は流れて
今、やっと2人は結ばれたのだと
奈津は思った。

もぅ奈津があれこれ言うなんて
とてもできなかった。

自分のせいで2人は結ばれなかったの
だからと、奈津は思ってしまった。

そんな奈津の気持ちを察して
それは違うと先生は強く
言った。
悪いのはすべて自分だと。
まわりの目など気にせずに
母親を迎え入れていれば
こんなにも回り道をする必要は
なかったのだと。

自分達はとっても不器用だと
少し微笑んだ。
その顔はとても穏やかだった。
そしてその先生を見つめる母親の
顔もとても穏やかだった。


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