田舎に行こう

2年後

田舎へ引っ越してきて2年が過ぎた。
隆史と奈津はその後も
けんかしたりしながらも
仲良く過ごしていた。

2年過ぎ、とうとう卒業式の日を
迎えた。
今日まで、先生は先生で
明日からはお父さんになる。
奈津はそんな風に考えていた。

田舎に来た時は
とんでもないとこに来たと思っていた。
でもここで奈津は色んなことを
見つけた。
大好きな彼氏。
本当の父親。
親友。
永遠の愛があることを知った。

ここにはなにもない。
コンビニもファミレスも
カラオケボックスも
レンタルビデオ屋も
ないものを数えればきりがない。

でも、ここにしかないものもある。
それをこの2年で知った。

奈津は明日、先生には
「お父さん」と言おうと決めていた。

そして隆史には
「私の気持ちは隆史の気持ちに
 とっくに追いついたし
 追い越したかも?!」
と笑って言おうと決めていた。

私はこれからもこの愛すべき
田舎で生きていく。





END
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