田舎に行こう
さきほど、幸太郎の家を飛び出した時とは
打って変わって気持ちは落ち着いていた。

それどころか弾むような気持ちだった。

自転車を漕ぎながら色んなことを考えた。
この田舎で育った自分を
嫌だと思ったこともあったが
ここで彼女に出会えたんだと思えば
それだけでここに生まれ育ったことすら
感謝するような気分になった。

『おれはなんて単純なんだ、、、』

すべてが輝くようなそんな気分で
家に帰り着くと・・・・


当然、父親は相当怒っていた。
「お前はお使いも、できないのかぁ~」

そんなことを言われても、
いつものように反抗する気持ちにも
ならなかった。

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