田舎に行こう
その後は簡単に今後の授業の
進め方や、1年間の年間行事などの
説明を受けて今日の学校は終わり。

不思議だったのは、みんな学校が
終わっても帰る様子はなく
それぞれのグループでたわいもない
話を座りながらしているようだった。

不思議そうな顔で見てる奈津に
弘美が説明してくれた。

「この辺は田舎だから、遊ぶとこが
 少なくって・・・
 だからみんな、けっこう学校が
 好きなのよぉ」
奈津は弘美を見つめて、なるほどと
言わんばかりにうなずいた。

奈津が今、弘美になるほどと
うなずいたのは、弘美の説明に対して
というよりも、弘美がとても
気がつくいい子だということと、
その笑顔がとてもかわいいことに
対してだった。

弘美は小さく小柄でどこか
守ってあげたくなるような子だった。
黒い髪の毛はショートカットにしていて
余計、小さな顔が際立っていた。

隆史と弘美を見て、奈津は素直に
かわいいカップルだなと思っていた。
< 44 / 148 >

この作品をシェア

pagetop