田舎に行こう
「なんで笑うかなぁ~~。
 ・・・そうだ、隆史どうせ
 暇でしょ?!付き合ってよ」
奈津が冗談っぽく言った。

「どうせ・・って。
 はいはい、俺はどうせ暇人ですよ」
隆史は少し拗ねたフリをしながら
答えた。でも、ドキドキが
止まらなかった。
奈津と2人で買い物に行けることを
想像すると、またニヤけそうだった。

そんな他愛もない話をしていると
電車がゆっくり駅に入ってきた。

電車によって起こった風が
奈津の髪をフワリと揺らした。
手で髪を押さえながら電車が
入ってくるのを見ている奈津を
隆史は見ていた。

そうして2人は電車に乗り込んだ。

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