田舎に行こう
弘美はふと自分の部屋にある
アルバムを開いた。

そこには幼い自分と隆史の
姿があった。
どのページにも2人の笑顔が
溢れていた。

ページをめくりながら
2人の思い出を思い返して
微笑んでいた。

こんなに小さい頃から
自分は隆史のことだけを
見つめてきた。

まだ、私は諦めるわけには
いかない。
気持ちを伝えて・・・
今までの2人の関係には
もどれなくなるかもしれないが
それでも、自分の
気持ちをこのまま宙ぶらりんには
できない。

幼い自分の姿を見ながら
弘美はそう自分に誓った。

そうしなければ
写真の中ではにかむ幼い自分に
申し訳ないような気持ちに
なっていた。

弘美の気持ちは固まった。
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