あなたと恋に落ちた場合。



「…っはあ、」

ようやく離した唇に苦しそうに息をする陽葵。

「…陽葵、俺ね、紳士になろうとしたんだ。」

「…え?」

俺を見上げた陽葵の頬は赤く上気していて、やっぱり俺を煽る。

でも、今はぐっと堪えて、


「…だって陽葵、紳士が好きでしょ?」

「え?かなめ?」

「だから紳士になってかっこいいって言ってもらおうと思って、」

「…?」

「陽葵の、理想に近づきたかったんだ、」

あー、なんか情けねえ…、

…大好きな陽葵に、かっこいいと思われたかったのに、

結局、我慢できなくて手出しちまった、




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