あなたと恋に落ちた場合。
陽葵の腕を握っていない方の手で、机の引き出しを開け、小さな箱を出す。
…これはさすがに片手じゃつけらんねえな。
少し残念に思いながら陽葵から手を離して、箱を開け目の前の彼女の手首に付けたそれ。
「…これからも、ずっと俺の側にいて。」
「…うー、のぞむくんっ、」
目から大粒の涙をこぼして、俺に抱きつく陽葵と同じモチーフのネックレスを俺は首につけていて。
このネックレスは、陽葵が誕生日にくれた大切なもの。
同じものをつけたいと思って、探したんだけれど、メンズものしか存在しなくて
調べまくった結果、見つけたのは愛しい彼女の手首に合う華奢なブレスレット。
「これなら、ペアなのわかんねえし陽葵の男避けもできるだろ。」
抱きつく彼女の頭を優しく撫でる。