あなたと恋に落ちた場合。
「ははは、」
陽葵早く出てこねえかなあ、なんて思いながら適当に愛想笑いをする。
それがいけなかったのか、
「…お名前聞いちゃダメですかあ?」
目をうるうるさせながら尋ねてくる店員。
これまでもこれで男落としてきたんだろうな〜なんて考えてみるが、やっぱり頭は試着室の陽葵のことでいっぱいだ。
でもまあ名前くらいならいいか
「高村透」
「透さん…あの、「とおる!どうかなー?」
目の前の女の声を遮るかわいい彼女の声。