向日葵の天秤が傾く時
「近くにいるそうで、すぐ行くと。」


「分かったわ。今、所長が相手になってるけど、いつまで持つか。男共がいるからとりあえず押さえ込みはいけそうね。」



敵対しても阜紆奢だって弁護士。


こんな事態になって、しかも友人らしいから、来ない訳には行かない。



「稷詫さん。」


「どうしましょう…」



「私達はここにいましょう。寒紺弁護士がすぐ来るそうだから、それまでの辛抱よ。」



驛に連れられた瞠屡と学未は樺堀と共に後ろに下がる。



「僕はどうしたらいいんでしょう。」


「貴方が行くとややこしいから、ここにいて。」



「…はい。」



鮖から戦力外通告を受けた驛は大人しく引き下がったものの、それだけでは情けないので樺堀達3人の前にいることにした。



「寒紺なんて知るかよ!もう示談とか交渉とかどうでもいいんだよ。巫莵をよこせ!」


「よこせって、衢肖さんは物じゃない。」



「俺が目を付けた俺のモノだ!良い地位に就かせて、良い暮らしさせて、俺がどんだけ犠牲にして育ててやったと思ってる?巫莵が俺の言うこと聞くのは当たり前だろうが!」



蛞拓の身勝手な言い分は更に膨れ上がる。
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