向日葵の天秤が傾く時
「瀑!お前何やってんだ!」


「寒紺。お前がちんたらしてんのが悪いだろうが。まぁおかげで笑い話が聞けたがな。」



そのつもりはないのだろうが、卿焼が蛞拓と言い合いをしていた間に阜紆奢が到着した。



「ちんたらって。準備があるって言っただろ。とにかく外に出るぞ!」



「待て。巫莵も一緒だ。」


「いや衢肖さんは…」



「あと、こいつをシメる。巫莵に悪影響だ。」



こいつとは卿焼のことらしい。



「はあ?シメるとか問題起こすな。今だってクライアントに無理言って来てんだからな。」


「瀑蛞拓、やれるもんならやってみろ!二度目は無い、もう奪われてたまるか。」



止める阜紆奢に構わず、卿焼と蛞拓は臨戦態勢。



張り詰めた空気に殴り合いを覚悟した、その時。



パンッ………―――――



「訴えるなら、訴えて構わない!全部覚えてる……職場であったことも、ホテルでしたことも、言われたことも、されたことも、全部全部覚えてる!だから、だから私の…、私の好きな人を、これ以上侮辱しないで!」



ほら舞台に上がりなさいな。


貴方の悪事耳を揃えて暴いてあげるわ。


死なば諸共なのよ。
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