向日葵の天秤が傾く時
「傷害罪って、砧怙くん何したんですかね?」
「分からないけど財占法律事務所が出てくるなんて、嵐の予感しかないわ。」
事態が飲み込めない総務の娑様瞠屡(サザマ ミハル)は樺堀に聞くが、返ってきた答えは良くも悪くも当たってしまう女の勘。
「財占って確か、所長が唯一嫌いな事務所ですよね。悪徳弁護士事務所だって。」
新人ではないものの勤めて短い学未でもその名を知っているのは、理由が極めて悪いからだ。
財占拳煙(ザイセン ゲンエン)が所長を務める法律事務所なのだが、金になる依頼しか受けず依頼人の利益より己の利益を優先する。
財を拳で掴み煙のように巻き上げ占有されてしまうと、名前を揶揄されるほどだ。
「まぁ、財占法律事務所に依頼する側も金に物を言わせてる奴らだから、どっちもどっちよ。」
「依頼人も弁護側も厄介事しか運んで来ないから、関わりたくないのが本音ですよね。」
瞠屡も学未も、苦い顔をする。
しかし、樺堀の心配は既にそこではなかった。
「衢肖さん大丈夫かしら…?」
応接室へ一緒に入った巫莵の顔色が、阜紆奢より昨日と聞いて以降ずっと真っ青であったから。
「分からないけど財占法律事務所が出てくるなんて、嵐の予感しかないわ。」
事態が飲み込めない総務の娑様瞠屡(サザマ ミハル)は樺堀に聞くが、返ってきた答えは良くも悪くも当たってしまう女の勘。
「財占って確か、所長が唯一嫌いな事務所ですよね。悪徳弁護士事務所だって。」
新人ではないものの勤めて短い学未でもその名を知っているのは、理由が極めて悪いからだ。
財占拳煙(ザイセン ゲンエン)が所長を務める法律事務所なのだが、金になる依頼しか受けず依頼人の利益より己の利益を優先する。
財を拳で掴み煙のように巻き上げ占有されてしまうと、名前を揶揄されるほどだ。
「まぁ、財占法律事務所に依頼する側も金に物を言わせてる奴らだから、どっちもどっちよ。」
「依頼人も弁護側も厄介事しか運んで来ないから、関わりたくないのが本音ですよね。」
瞠屡も学未も、苦い顔をする。
しかし、樺堀の心配は既にそこではなかった。
「衢肖さん大丈夫かしら…?」
応接室へ一緒に入った巫莵の顔色が、阜紆奢より昨日と聞いて以降ずっと真っ青であったから。