向日葵の天秤が傾く時
「とりあえず砧怙君、最初から説明してくれるか?寒紺弁護士の言い分だけでは判断出来ないし、時系列もバラバラだったからね。」



「はい。昨日の朝、出勤途中に衢肖さんが男と揉めてる場面に遭遇しました。引き離そうとした時に肘が当たってしまったのは事実ですけど、殴ってはいませんよ。」


「私もその場にいましたから間違いありません。砧怙さんは殴ってません。」



尋ねた薔次に詳細……と言ってもそのままでしかないが、驛と学未も答える。



「しかし砧怙、訴えると言われて、なんで俺に報告しなかったんだ?」


「まさか肘が当たっただけで、訴えられるなんて思わないですよ~。普通口先だけだと思うじゃないですか~」



「お前…、それでも弁護士か…?」



頭をかきながら怒りの込められた苦い顔の節へ、答える驛の軽い口調に卿焼は呆れる。



「けど、事務所の名前まで喋っちゃったんでしょ?」


「しゃ、喋ってませんよ!……あれ?だけどなんであの弁護士、昨日の今日で俺のこと分かったんだろ?」



「金にモノを言わせたんじゃないの?あそこの所長がそうなんだから。」



鮖の疑惑を驛は即座に否定し、瞠屡もそれに続いた。
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