ボルタージュ王国の恋物語〜番外編〜
「はっはっはっ、アレンでも照れるんだな!! しっかりやれよ、色男!!
あのグラマラスな身体は、お前のものだ!!!
しっかし、レオンとアレンに囲まれて育つ王女が可哀想だ……限りなく理想が高くなりそうだな……」

ジルベールは心の底から、会ったこともない王女に対し不憫だなと思っていた。


(「グラマラスな身体は、お前のもの……か。………病持ちの私が、エルティーナ様と身体の関係を持つ日は未来永劫こない……。
だが……嫁ぐまでは、…側にいたい。誰よりも何よりも、…一番でいたい。それが私の、たった一つの願いだ…」)

「………ふっ……そんな優しい顔も出来るんだな……王女もノックアウトだ」

「だと…いいがな……」



アレンはジルベールと別れ、騎士の宿舎に帰り、自室の窓から見える演習場に目を向け思いを馳せる。

(「私も、まだまだだな……。王や王妃、レオン。エルティーナ様本人にも、絶対にバレてはいけない……。バレた時点で、エルティーナ様とは一生…会えなくなる。
なまじ素肌で触れ合った経験があり、最後の一線は越えてないが、かなり際どいところまでしたからな。気をつけないと………。
あぁぁぁぁ、あれは、気持ちよかったな……」)

3年前のエルティーナとの甘い触れ合いを、彼女の手がたくさん自身の身体に触れたのを、細部までしっかり思い出す。

軍仕様厚手のトラウザーズをいきよいよく押し上げている欲望を見て、溜息が出る。

「たまに抜いているんだが……私のサイズはデカイのか…?…他人の股間なんて見たことがないから、分からないな。興味もないし……」

汗を洗い流すのと、溜まったものを出す為に、シャワールームに入る。

「ポーカーフェイスか……どこまで出来るか……疑問だな………」


頼りない自身の声に、笑いがこみ上げた。
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