ボルタージュ王国の恋物語〜番外編〜
「エルマンは馬鹿だな、アレンを怒らせて何が楽しい」
ジルベールは苦笑しながら、エルマンのグラスに酒をつぐ。
「ふっ、初めて見た時は可愛いらしくて、抱きしめたかったくらいなのに、今は、デカくなって……って睨むな、股間じゃなくて身長の事だからな!!」
「あぁ、それには、私も驚きました。レオンと頭一つ分くらい違いがあったのに、今では長身のレオンを抜いてます。何を食べたらそんなに背が高くなるんですか?」
マジマジとアレンを見る。フローレンスは何故か、レオンとアレンには敬語。どちらも身分は明かしてないが、敬語は不思議と浸透していて騎士団見習いの皆が、だいたいレオンとアレンには敬語で話していた。
「それは、俺も驚いた。二年前にアレンと会ったとき、こんなにガッチガッチの美術彫像の様な身体に仕上げてくるとは、思わなかった」
レオンはフローレンスの意見に軽くうなづきながら、アレンに視線を合わす。
「成長期だからだろう。それだけだ」
なんとも素っ気ない返答だった。なまじ顔が良過ぎるので、冷たい物言いは辺りを極寒に陥れる。
アレンが笑うところを見た事がない面々は、盛り上がらない話に、寒さを感じ撃沈していた。
(「くっそぉぉぉ……成長期だけで、そんな極限まで絞り込んだ肉体が造れるわけないだろう……!?!?
……謎な奴だ。アレンは、秘密の多いやつだからな…女とは言わず、人間全てに興味が無さそうだ……。何故騎士になったんだ??
考えても、分からないか……
それはいいとして、めぼしい奴が揃ったな、、、」)
二十歳を迎えるレオンはそろそろ、騎士見習いは卒業となり、騎士の称号を貰える。
騎士の称号を貰うまでに、どうしても一つ、しておきたい事があった。
食堂を見渡しそこそこの見習い騎士がおり、それは今か……と感じ、皆に見せるために、小さな紙に描かれた少女の絵姿何枚かを、テーブルに置いた。
「レオンなんだ、これは」
一番初めに食いついたのはジルベールだ。冷静沈着な彼だが、野心家であり家名がない彼は、名のある令嬢と結婚するつもりだったからだ。
「何に見える??」
「いいとこのご令嬢だね……」レオンの問いに、すかさずエルマンが入ってくる。
「あぁ、なかなか可愛いだろ? 俺の遠縁の子なんだ。可愛くてな、絵姿を何枚か貰ったのさ。見せびらかそうと思ってな!!」
笑いながらレオンは話すが、ジルベールは笑っていない。
「年齢は? 身分は? 長女か?」
ジルベールの質問攻めに、レオンはかるく引いていた。
「……身分というか家名は、言うわけないだろう。ここでは身分は言わない掟だ。この子の家名を話したら、俺の家名も暴露るだろ!!……年齢は十一歳だ」
「えっ!? レオン!? これで十一歳なのか!? 色々育ち過ぎてないか?? あっ分かった、多少大人っぽく描いてるか」
笑いながら話すエルマンにレオンは横に首を振る。
「少しも修正は加えてない。俺は何度も見ているがそのままだ。天使みたいなんだ」
「本当に可愛いですね。確かに天使みたいです。抱きしめてみたいです。柔らかそうですね」
「フローレンス、エロい。でも、分かるなあぁ~まだ十一歳でこの色気は堪らないな。これで十六、十七歳の成長した姿は色々ヤバイな。
こんな天使を嫁さんにだと、毎日が楽しいな。とくにこれ、これ、この絵姿の満面の笑みがなんて可愛らしいんだ!!」
パトリックは楽しそうに話す。声が大きい為、他の騎士見習いも集まってくる。
ジルベールは苦笑しながら、エルマンのグラスに酒をつぐ。
「ふっ、初めて見た時は可愛いらしくて、抱きしめたかったくらいなのに、今は、デカくなって……って睨むな、股間じゃなくて身長の事だからな!!」
「あぁ、それには、私も驚きました。レオンと頭一つ分くらい違いがあったのに、今では長身のレオンを抜いてます。何を食べたらそんなに背が高くなるんですか?」
マジマジとアレンを見る。フローレンスは何故か、レオンとアレンには敬語。どちらも身分は明かしてないが、敬語は不思議と浸透していて騎士団見習いの皆が、だいたいレオンとアレンには敬語で話していた。
「それは、俺も驚いた。二年前にアレンと会ったとき、こんなにガッチガッチの美術彫像の様な身体に仕上げてくるとは、思わなかった」
レオンはフローレンスの意見に軽くうなづきながら、アレンに視線を合わす。
「成長期だからだろう。それだけだ」
なんとも素っ気ない返答だった。なまじ顔が良過ぎるので、冷たい物言いは辺りを極寒に陥れる。
アレンが笑うところを見た事がない面々は、盛り上がらない話に、寒さを感じ撃沈していた。
(「くっそぉぉぉ……成長期だけで、そんな極限まで絞り込んだ肉体が造れるわけないだろう……!?!?
……謎な奴だ。アレンは、秘密の多いやつだからな…女とは言わず、人間全てに興味が無さそうだ……。何故騎士になったんだ??
考えても、分からないか……
それはいいとして、めぼしい奴が揃ったな、、、」)
二十歳を迎えるレオンはそろそろ、騎士見習いは卒業となり、騎士の称号を貰える。
騎士の称号を貰うまでに、どうしても一つ、しておきたい事があった。
食堂を見渡しそこそこの見習い騎士がおり、それは今か……と感じ、皆に見せるために、小さな紙に描かれた少女の絵姿何枚かを、テーブルに置いた。
「レオンなんだ、これは」
一番初めに食いついたのはジルベールだ。冷静沈着な彼だが、野心家であり家名がない彼は、名のある令嬢と結婚するつもりだったからだ。
「何に見える??」
「いいとこのご令嬢だね……」レオンの問いに、すかさずエルマンが入ってくる。
「あぁ、なかなか可愛いだろ? 俺の遠縁の子なんだ。可愛くてな、絵姿を何枚か貰ったのさ。見せびらかそうと思ってな!!」
笑いながらレオンは話すが、ジルベールは笑っていない。
「年齢は? 身分は? 長女か?」
ジルベールの質問攻めに、レオンはかるく引いていた。
「……身分というか家名は、言うわけないだろう。ここでは身分は言わない掟だ。この子の家名を話したら、俺の家名も暴露るだろ!!……年齢は十一歳だ」
「えっ!? レオン!? これで十一歳なのか!? 色々育ち過ぎてないか?? あっ分かった、多少大人っぽく描いてるか」
笑いながら話すエルマンにレオンは横に首を振る。
「少しも修正は加えてない。俺は何度も見ているがそのままだ。天使みたいなんだ」
「本当に可愛いですね。確かに天使みたいです。抱きしめてみたいです。柔らかそうですね」
「フローレンス、エロい。でも、分かるなあぁ~まだ十一歳でこの色気は堪らないな。これで十六、十七歳の成長した姿は色々ヤバイな。
こんな天使を嫁さんにだと、毎日が楽しいな。とくにこれ、これ、この絵姿の満面の笑みがなんて可愛らしいんだ!!」
パトリックは楽しそうに話す。声が大きい為、他の騎士見習いも集まってくる。