Your letter ~君からもらった宝物~
「ほい、セットはこれ。」
あずさんに渡されたのは採血用のセット。俺はセットを広げて採血を始めた。
「……」
「さすがだな、やっぱりF大主席は。」
「手際がいいわ。」
俺が無言の中、後ろで2人が話してる。
「……はい、終わり。大丈夫?横になっていいよ。」
少し顔が青白くなった雫くんに声をかける。
「すいません…」
予想通り貧血になった雫くんをベットに横にならせる。
「もう外来終わってるから心配しなくていいよ。」
あずさんと話を始めた石井さんは、俺に雫くんを任せて診察室を出た。
「彩葉ちゃん、今日半日だよね?」
「そうですけど、1人で帰れますよ。」
「いや、俺連絡入れるよ。」
俺は自分の携帯を出して彩葉ちゃんに声をかける。