Your letter ~君からもらった宝物~
「彩葉ちゃんが迎えに来てくれるからここで待ってて。」
雫くんは小さな声で謝る。
「俺、ここで仕事してるから何かあったら言ってね。」
「はい…」
俺はタブレットを出して仕事を始めた。
ーー・・・
「失礼します。」
あれから10分くらいで彩葉ちゃんが診察室に入って来た。
「早かったね。急に連絡してごめんね。」
「いえ、ありがとうございました。雫、大丈夫?」
彩葉ちゃんは俺にお礼を言ってから雫くんの方を向いた。
「…彩葉?」
「そうだよ。帰ろっか。連れて帰っても大丈夫ですか?」
「うん。採血の量がちょっと多かったから貧血になったんだ。」
「分かりました。石井先生によろしくお伝えください。」
雫くんを支えながら立たせて、彩葉ちゃんも横に並ぶ。
「うん。彩葉ちゃんもたまに顔出してね。あずさんとか喜ぶから。」